今年後半に観た映画26本

アニメだのレースだの本だのに時間を取られたが、頑張って観た。

1「ザ・メキシカン(The Mexican)」(2001年、アメリカ・メキシコ)
<監督>
ゴア・ヴァービンスキー
<出演>
ブラッド・ピットジュリア・ロバーツジェームズ・ガンドルフィーニJ・K・シモンズボブ・バラバン、デヴィッド・クラムホルツ、ジェレミー・ロバーツ、ジーン・ハックマン
<感想>
ブラッド・ピットジュリア・ロバーツの達者が頼りか。面白かったけど、お話はどうもバラバラでラストもとって付けたような感じ。伝説の銃「メキシカン」をもっとマクガフィン的に使ってもよかったように思う。(2013/07/27)


2「大鹿村騒動記」(2011年、日本)
<監督>
阪本順治
<出演>
原田芳雄大楠道代岸部一徳佐藤浩市松たか子冨浦智嗣瑛太、姜洪軍、石橋蓮司小倉一郎、でんでん、加藤虎ノ介小野武彦三國連太郎
<原作>
延江浩「いつか晴れるかな」
<感想>
映画自体は何ということもないごく普通の日本映画。公開3日後に亡くなった原田芳雄の遺作となった。(2013/07/29)


3「イングロリアス・バスターズ(Inglourious Basterds)」(2009年、アメリカ・ドイツ)
<監督>
クエンティン・タランティーノ
<出演>
ブラッド・ピットイーライ・ロスティル・シュヴァイガー、ギデオン・ブルクハルト、B・J・ノヴァク、オマー・ドゥーム、サム・レヴァイン、マイケル・バコール、メラニー・ロラン、ジャッキー・イド、ボー・スヴェンソン、マイケル・ファスベンダーマイク・マイヤーズ、ロッド・テイラー、ダイアン・クルーガークリストフ・ヴァルツダニエル・ブリュール、アウグスト・ディール、ジュリー・ドレフュス、シルヴェスター・グロート、マルティン・ヴトケ、クエンティン・タランティーノサミュエル・L・ジャクソン
<感想>
いつもながら殺戮・暴行シーンはショッキング。何かのメッセージになっている、というわけではないとのことだが、やはりタランティーノはダテじゃない。映画館で観たかった。(2013/07/30)


4「インファナル・アフェア(無間道/Infernal Affairs)」(2002年、香港)
<監督>
アンドリュー・ラウアラン・マック
<出演>
トニー・レオンアンディ・ラウアンソニー・ウォンエリック・ツァンケリー・チャン、サミー・チェン、ショーン・ユーエディソン・チャン、チャップマン・トウ、ラム・カートン、エルヴァ・シャオ、ン・ティンイップ、ワン・チーキョン、ディオン・ラム
<感想>
トニー・レオンの哀愁とアンディ・ラウの野心。昔から変わらぬ香港らしさをきちんと残したノワール。(2013/08/05)


5「インビジブル2(Hollow Man II)」(2006年、アメリカ)
<監督>
クラウディオ・ファエ
<出演>
ピーター・ファシネリ、ローラ・レーガンクリスチャン・スレーター、デヴィッド・マルキレース、ウィリアム・マクドナルド、サラ・ディーキンス、ジェシカ・ハーモン、ジョン・ショウ、ダーシー・ローリー、ザラ・テイラー
<製作>
ポール・バーホーベン
<感想>
第1作と比べるとコンパクトで地味な感じだが、サスペンスとしてまとまっていて飽きない作りになっている。透明化に関する悪意がはっきりと描かれているのでわかりやすい。
透明になるCGはほんのちょっとだけ。元はオリジナルビデオとかでアメリカでの劇場公開なしだそうで、制作費はあまり掛かっていないのかもしれない。ラストのアイデアはなかなか秀逸。(2013/08/07)


6「月に囚われた男(Moon)」(2009年、イギリス)
<監督>
ダンカン・ジョーンズ
<出演>
サム・ロックウェルケヴィン・スペイシー、ドミニク・マケリゴット、カヤ・スコデラリオ、ベネディクト・ウォン、マット・ベリー、マルコム・スチュワート
<感想>
とてもよかった。
ぜひ映画館で観たい。イギリスならではという感じである。ほぼ全編一人芝居の主役サム・ロックウェルも素晴らしい。何気なく人間くさいガーティのスマイルマークのいろいろな表情もいい。結局出口があるのかないのかわからないが、アイデアもまとめ方も秀逸。監督はデヴィッド・ボウイの息子。(2013/08/08)


7「サウンド・オブ・サンダー(A Sound of Thunder)」(2005年、アメリカ・ドイツ)
<監督>
ピーター・ハイアムズ
<出演>
エドワード・バーンズキャサリン・マコーマック、サー・ベン・キングズレー、ジェミマ・ルーパー、デヴィッド・オイェロウォ、ヴィルフリート・ホーホルディンガー、コーリイ・ジョンソン
<原作>
レイ・ブラッドベリ「いかずちの音」
<感想>
クリーチャーだけでなく街の風景や車などはどこからどう見てもCGだし、スペクタクルシーンもアメリカ映画とは思えないほどちゃち。パラドックスの妙も原作があるから何とか保っているものの、全体的にB級感満載。(2013/08/10)


8「デイブレイカー(Daybreakers)」(2008年、アメリカ・オーストラリア)
<監督>
マイケル・スピエリッグピーター・スピエリッグ
<出演>
イーサン・ホークウィレム・デフォーサム・ニール、クローディア・カーヴァン、マイケル・ドーマン、イザベル・ルーカス、ヴィンス・コロシモ
<感想>
吸血鬼人口が人間を凌駕して血液不足に陥るというお話。人間を捕えての血液工場とか代用血液とか、いろいろと面白い仕掛けあり。人間に戻るとか戻った人間の血液で治療とか筋立てはそこここに強引なところもあって気になるところだが、ムダに引き伸ばさずにコンパクトに仕上げてある。おおむね楽しんで観られてよかった。イーサン・ホークガタカの時と変わらず大根で表情に乏しいが、派手さのないところが却ってよかったかも。(2013/08/14)


9「エンパイア・オブ・ザ・ウルフ(L'Empire des loups/EMPIRE OF THE WOLVE)」(2005年、フランス)
<監督>
クリス・ナオン
<出演>
ジャン・レノ、アーリー・ジョヴァー、ジョスラン・キヴラン、ラウラ・モランテ、フィリップ・バス、ダビッド・カメノス、ディディエ・ソーヴグラン、パトリック・フラールシェン、エチエンヌ・シコ
<原作>
ジャン・クリストフグランジ
<感想>
同じニオイがするなぁと思ったら、クリムゾン・リバーと同じ作者が原作。謎のまま二つの状況が提示されつつ、繋がりがだんだんと明かされていくサスペンス。展開にはよく考えればいろいろとムリはあるだろうし、アレよという間に結局ジャン・レノがヒーローというラストは賛否あるのではないかと思うが、何も考えずにいれば面白く観られるのでヨシとする。(2013/08/15)


10「バビロンA.D.(Babylon A.D.)」(2008年、アメリカ・フランス・イギリス)
<監督>
マチュー・カソヴィッツ
<出演>
ヴィン・ディーゼルミシェル・ヨーメラニー・ティエリー、ランベール・ウィルソン
マーク・ストロングシャーロット・ランプリングジェラール・ドパルデュー
ジョエル・カービー
<原作>
モーリス・G・ダンテック「バビロン・ベイビーズ」
<感想>
最後の最後はもうちょっとスッキリしないところも残ったが、おおむね面白く観た。(2013/08/16)


11「ドラゴン・キングダム(The Forbidden Kingdom)」(2008年、アメリカ)
<監督>
ロブ・ミンコフ
<出演>
マイケル・アンガラノ、ジャッキー・チェンジェット・リーリウ・イーフェイコリン・チョウリー・ビンビンモーガン・ブノワ
<感想>
基本的にはカンフー映画だと思うが、アメリカ製作だけに少々味付けは異なる。何も考えずに楽しんで観られる娯楽作品。ジャッキー・チェンジェット・リーも実に達者。ラストの現実世界に戻るシーンは、よく思い出せないが、何となく、ナルニアのラストと似ていたような気もする。(2013/08/17)


12「エアベンダー(he Last Airbender)」(2010年、アメリカ)
<監督>
M・ナイト・シャマラン
<出演>
ノア・リンガー、デーヴ・パテール、ニコラ・ペルツ、ジャクソン・ラスボーン、ショーン・トーブ、アーシフ・マンドヴィ、クリフ・カーティス、セイチェル・ガブリエル、キャサリン・ホートン、フランシス・ギナン、デイモン・ガプトン、サマー・ビシル、ランダル・ダク・キム、ジョン・ノーブル
<感想>
テレビアニメシリーズの映画化だそうで、本来は3部作の予定とか。確かにラストは「続く…」って感じだったけど。全体的にストーリー展開が荒っぽい感じで、お話のつながりを追いかけていくのが大変。基本的に動作は太極拳ぽいカンフーだし、火の国の武具は日本の鎧みたいだし、国の入り口には鳥居みたいなのがあるし、お話も含めて世界観や展開はアチコチからいろんなものをつまみ食いして無理やりくっ付けたみたいな感じ。妙に動きのよいノア・リンガーとニコラ・ペルツのカンフーが何だか見事。(2013/08/24)


13「アイ・アム・サム(I am Sam)」(2001年、アメリカ)
<監督>
ジェシー・ネルソン
<出演>
ショーン・ペンミシェル・ファイファーダコタ・ファニングダイアン・ウィーストローラ・ダーン、ロレッタ・ディヴァイン、リチャード・シフ、ダグ・ハッチソン、スタンリー・デサンティス、ブラッド・シルバーマン、ジョセフ・ローゼンバーグ、チェイス・マッケンジー・ベバック、メイソン・ルセロ、ケン・ジェンキンス、ボビー・クーパー、キャロライン・キーナン、ウェンディ・フィリップス、メアリー・スティーンバージェン、ロザリンド・チャオ、マイケル・B・シルバー
<感想>
ダコタ・ファニングが一番かわいい頃かも。出だし「あぁ、心温まるいい話かぁ…」と感じながら、最後まで引き込んで観せるのはたいしたものだ。ショーン・ペンも達者である。全編に流れる"カヴァーの"ビートルズも実にいい。ソーシャルワーカーも検事も、職責に従って最後までとてもイジワルなのがアメリカ的。スタバやピザハットはちゃんと障害者雇用をしてるってしっかり宣伝。(2013/08/30)


14「ラブリーボーン(The Lovely Bones)」(2009年、アメリカ・イギリス・ニュージーランド
<監督>
ピーター・ジャクソン
<出演>
シアーシャ・ローナンマーク・ウォールバーグレイチェル・ワイズ、ローズ・マクアイヴァー、クリスチャン・アシュデール、スーザン・サランドンスタンリー・トゥッチ
マイケル・インペリオリ、リース・リッチー、キャロリン・ダンド
<音楽>
ブライアン・イーノ
<原作>
アリス・シーボル
<製作総指揮>
スティーヴン・スピルバーグ
<感想>
シアーシャの透き通るような青い眼に吸い込まれるようにして観た。エンバーでは溌剌とした少女、本作では思春期を迎えたばかりの少女を演じて揺れる心を見事に魅せてくれるなど、実に達者で楽しみな役者である。まったくキャラクターの異なる「ハンナ」もぜひ観てみたい。お話はあまりひねらずサスペンス半分で作られているが、ラストは少々可哀想な感じも残る。そう感じさせておいて、そんなことに捕らわれずに前に進めというメッセージなのかもしれないが。(2013/08/31)


15「ワイルド7」(2011年、日本)
<監督>
羽住英一郎
<出演>
瑛太椎名桔平丸山隆平阿部力宇梶剛士、平山祐介、松本実、要潤本仮屋ユイカ中原丈雄吉田鋼太郎深田恭子中井貴一
<主題歌>
L'Arc〜en〜Ciel「CHASE」
<原作>
望月三起也
<感想>
かっこいいということがよくわかっていない監督、カメラにより撮られた映画。陰影の深みもなく残念な画面と冗長でちぐはぐな演出、何しろバイクの乗り方、撮り型がまったくかっこよくない。草薙の中井貴一はまだしも、巨悪であるはずの桐生や草薙の上司であるはずの成沢の小物感あふれるキャスティングにはがっかり。(2013/09/07)


16「クリムゾン・リバー2 黙示録の天使たち(Les Rivieres pourpres II: Les anges de l'apocalypse/Crimson Rivers II: Angels of the Apocalypse)」(2004年、フランス・ドイツ・イタリア)
<監督>
オリヴィエ・ダアン
<脚本>
リュック・ベッソン
<出演>
ジャン・レノブノワ・マジメルカミーユ・ナッタ、クリストファー・リー、ガブリエル・ラズール、オーギュスタン・ルグラン、セルジュ・リアブーキン、アンドレ・パンヴェルン、ミレーヌ・ジャンパノワ
<原案>
ジャン=クリストフ・グランジ
<感想>
ストーリーの細かいところはどうでもいいから、息もつかせずどんどん進む。"顔のない修道士"は見事なパルクール。(2013/09/12)


17「シャッター アイランド(Shutter Island)」(2010年、アメリカ)
<監督>
マーティン・スコセッシ
<出演>
レオナルド・ディカプリオマーク・ラファロミシェル・ウィリアムズ、サー・ベン・キングズレーエミリー・モーティマーマックス・フォン・シドージャッキー・アール・ヘイリーイライアス・コティーズパトリシア・クラークソンテッド・レヴィンジョン・キャロル・リンチ、クリストファー・デナム、マシュー・カウルズ、ネリー・サイウット
<原作>
デニス・ルヘイン
<感想>
導入から謎を少しずつはらみ、徐々に狂気が明らかになっていく展開はさすが老練監督。2時間もいらないかもしれないが、最後に丁寧に明かされる事実まで、観る気持ちを掴んで離さない。ラストでは、レオナルド・ディカプリオのたった一言のセリフで、結局は心の中の真実は誰にもわからないとの余韻を残す。(2013/09/15)


18「第9地区(District 9)」(2009年、アメリカ・南アフリカ共和国ニュージーランド
<監督>
ニール・ブロムカンプ
<出演>
シャールト・コプリー、ジェイソン・コープ、デヴィッド・ジェームズ、ヴァネッサ・ハイウッド、ジョン・ヴァン・スクール、マリアン・フーマン、ルイス・ミナー、マンドラ・ガドゥカ、ユージーン・クンバニワ、ケネス・ンコースィ、ウィリアム・アレン・ヤング、ナタリー・ポルト、ニック・ブレイク
<感想>
ストーリーは荒っぽいが、アイデアは素晴らしい。CGを含めた特殊効果は隙がなく、B級とはいえない、低予算とは思えないほど、よく作っている。監督の高校時代の友人という主演のシャールト・コプリーは、セリフはアドリブだそうだし、エイリアンはCGだろうからほとんど一人芝居だったはずだが、実に達者に演じた。ディスカバリーチャンネルみたいなドキュメンタリー風の作り、いわゆるモキュメンタリーも面白かった。もう少し心理に迫るところを掘り下げられると深みも増すのかもしれないが、娯楽作としては十分。さて、3年経って、クリストファーは帰ってくるのか? ラストのインタビュー、あまりしつこくしなかったのはよかったけれど、ちょっと余計だったかも。映画館で観たかった。(2013/09/16)


19「スターシップ・トゥルーパーズ2Starship Troopers 2: Hero of the Federation)」(2003年、アメリカ)
<監督>
フィル・ティペット
<出演>
リチャード・バージ、コリーン・ポーチ、ローレンス・モノソン、ブレンダ・ストロング
エド・ローターサンドリーヌ・ホルト、ジェイソン=シェーン・スコット、ブライアン・ティー、ケリー・カールソン、J.P.マノックス、エド・クイン、ビリー・ブラウン、サイ・カーター、ドリュー・パウエル
<原作>
ロバート・A・ハインライン「宇宙の戦士」
<感想>
予算は前作の15分の1という低予算で、アメリカではTV映画として劇場公開はなかったとか。全編薄暗い画面で、ギミックも軽そうだし構成もチープだが、それなりに楽しめる作り。軍への嫌悪はそこここにちりばめられているが、ラストにくっきりと表現した。(2013/09/25)


20「スターシップ・トゥルーパーズ3Starship Troopers 3: Marauder)」(2008年、アメリカ)
<監督>
エド・ニューマイヤー
<出演>
キャスパー・ヴァン・ディーン、ジョリーン・ブラロック、ボリス・コドジョー、スティーブン・ホーガン、アマンダ・ドノホー、セシル・ブレシア、ステリオ・サヴァンテ、マーネット・パターソン、ダニー・キーオ、コーキー・ファルカウ
<製作総指揮>
ポール・バーホーベン
<感想>
2作目の3倍の予算というのが触れ込みだったらしいが、第1作と比較すれば5分の1と、低予算には変わりない。前作の暗い画面と違い日中のシーンも多く、バグのCGにはアラが見えなくもない。3作を通じて概ね軍事礼賛を揶揄する内容と見せているが、今回は宗教批判も。テレビ映画として取り扱われた前作と比べると映画らしくなったが、1作目の雰囲気がそのまま続いていて、ここまで続けなくても…という印象も否めないか。(2013/09/27)


21「マチェーテ(Machete)」(2010年、アメリカ)
<監督>
ロバート・ロドリゲス、イーサン・マニキス
<出演>
ダニー・トレホジェシカ・アルバロバート・デ・ニーロミシェル・ロドリゲススティーヴン・セガールリンジー・ローハンジェフ・フェイヒーチーチ・マリンドン・ジョンソンダリル・サバラ、エリース・アヴェラン、エレクトラ・アヴェラン、シェリル・チン、トム・サヴィーニアリシア・レイチェル・マレク、シェー・ウィガム、アラ・セリ
<感想>
プラネット・テラー in グラインドハウス」のフェイク予告編の一つの長編映画化。クエンティン・タランティーノと比べると娯楽としての映画をうまく作っている印象。やっぱり面白い。映画館で観たかった。(2013/09/28)


22「変態島(Vinyan)」(2008年、フランス・ベルギー・イギリス・オーストラリア)
<監督>
ファブリス・ドゥ・ヴェルツ
<出演>
エマニュエル・ベアールルーファス・シーウェル、ペッチ・オササヌグラ、ジュリー・ドレフュス、アンポン・パンクラトク
<感想>
津波で子どもを亡くした夫婦が放浪し狂っていく話。確か番組表の惹句を読んで録画したはずなのに、観始めたらどうも様子が違ってどう観進めたらよいかわからなかったのだが、ホラー・サスペンスということらしく、そういう風に観てみればもう少し違った感想もあったかも。すっぴんのエマニュエル・ベアールは迫力あり。原題の「Vinyan」はタイ語で"魂、成仏できない霊、幽霊"(Wikipedia)だそうで、邦題の「変態島」というのはまったくよくわからない。(2013/10/19)


23「フィクサー(Michael Clayton)」(2007年、アメリカ)
<監督>
トニー・ギルロイ
<出演>
ジョージ・クルーニートム・ウィルキンソンティルダ・スウィントンシドニー・ポラック、マイケル・オキーフ、ケン・ハワード、デニス・オヘア、ショーン・カレン、メリット・ウェヴァー、オースティン・ウィリアムズ、デイヴィッド・ランズベリー、デイヴィッド・ザヤス、ロバート・プレスコット、テリー・セルピコ、ビル・レイモンド
<製作総指揮>
スティーブン・ソダーバーグジョージ・クルーニー
<感想>
時間も気にならず面白く観たのだが、もう少しわかりやすくできたのではないか。息子との関係や、クレイトン一族の絆というか否応ない関係というか、その辺をもう少し丁寧に描いてもよかったように思う。馬を見つけて丘を登り偶然難を逃れるとか、自殺に見せかけた手口はそれなりによかったのにいろいろとツメがあまいとか、気になるところはいくつかあった。結局クレイトンは何を拠り所に善を為そうとしたのか。それを最後に際立たせればよかったのに、と、ちょっと残念な感じ。ところで原題はかの作家のオマージュかなんか? と思ったら「Clayton」と「Crichton」と、綴りがぜんぜん違う。(2013/10/20)


24「SUPER8/スーパーエイト(Super 8)」(2011年、アメリカ)
<監督>
J・J・エイブラムス
<出演>
ジョエル・コートニー、エル・ファニング、ライリー・グリフィス、ライアン・リー、ガブリエル・バッソ、ザック・ミルズ、カイル・チャンドラー、ロン・エルダード、ノア・エメリッヒ、グリン・ターマン、デヴィッド・ギャラガー、ジョエル・マッキノン・ミラー、ブレット・ライス、トム・クイン、マイケル・ヒッチコック、アマンダ・ミシェルカ、ジェシカ・タック
<製作>
スティーヴン・スピルバーグJ・J・エイブラムス、ブライアン・バーク
<感想>
未知との遭遇」とか「E.T.」とか「宇宙戦争」とか「トランスフォーマー」とかいろいろ。いつもながら家庭問題も織り込み、少年少女の淡い恋とかもあり、派手な爆発シーンもある、いわゆるアメリカンエンターテイメント。ラストもアッサリと終わってよかったと思ったら、エンドロールで少年たちが撮ったゾンビ映画を観せるというご愛嬌も。エル・ファニングは姉ダコタとまた違った美少女。今のところ年相応といった印象で、その点では姉が一枚上手だったかも。(2013/10/27)


25「劇場版 SPEC〜結〜 漸ノ篇」(2013年、日本)
<監督>
堤幸彦
<出演>
戸田恵梨香加瀬亮北村一輝栗山千明香椎由宇有村架純、KENCHI(EXILE)、遠藤憲一イ・ナヨン渡辺いっけい三浦貴大、森山樹、岡田浩暉、松澤一之、載寧龍二、大森暁美、向井理大島優子竜雷太
<感想>
「欠」ではなく「結」となったもよう。公開に先立ちスペシャルドラマ「翔」の新や再放送と新作「零」放送、「天」の地上波初放映と準備万端。ドラマではできないカネの使い方をしたかった、ということではなかろうか。お話はどんどん複雑を極めてきており、「天」のラストシーンにあったあの国会議事堂はどういうことかとか、その辺はまだ「漸」では明かされない。「漸」だけ観て「爻」は観ないってのはなかなかなかろうとは思うが、「天」でもそうだったように「次があるから」感は否めず、パンフレットには「俳優の演技をじっくり見せる」などと言い訳はしてあるけれど今までと比較すれば結局冗長であることには変わりない。ラストをバッサリ切ってエンドロールも流さないのは覚悟の現われかどうか、「爻」でしっかり観極めたい。って、ハメられてるかしら。(2013/11/04)


26「劇場版 SPEC〜結〜 爻ノ篇」(2013年、日本)
<監督>
堤幸彦
<出演>
戸田恵梨香加瀬亮北村一輝栗山千明、岡田浩暉、松澤一之、載寧龍二有村架純神木隆之介福田沙紀城田優田中哲司安田顕真野恵里菜浅野ゆう子三浦貴大、大森暁美、森山樹、香椎由宇遠藤憲一、KENCHI(EXILE)、イ・ナヨン渡辺いっけい宅間孝行堀北真希井上真樹夫田島令子向井理大島優子北大路欣也竜雷太
<感想>
何はともあれ終わった。公開初日とはいえ平日の初回はがらがらで、席は3分の1程度埋まった、といったところ。駐車場は1番乗りだったし、早朝割引で1200円はとってもお得だった。「漸」で時間をたっぷり使ったからか1時間半とコンパクトながら、時間の使い方はずいぶん贅沢だったように思う。人間の醜さと、とはいえ希望とを対比させたかったのか、その点はわかりやすかったか、却ってわかりにくかったか。堤監督にしてはラストが冗長で、整理が付いたんだかどうなのか。当麻と瀬文の再会は、もっと幻想的であってもよかったのではないだろうか。というか、もっと大事に撮ってほしかった、というのは言いすぎだろうか。「天」のラストとの整合は結局なかった、と考えるべきなのか。(2013/11/29)