人のカネは使い放題

赤城農相:事務所費問題で「活動実態ない」との報道否定(MSN-Mainichi INTERACTIVE 2007年7月7日(土))

赤城徳彦農相は7日夕、農水省で記者会見し、「ご指摘のようなものではありません」と述べ活動実態がないとの報道を否定した。茨城県筑西市の父親宅を事務所としていることについては「後援会の連絡を受けたり会合を開く場所で、長年にわたり後援会活動の中核となる象徴のような場所。事務所としての経費を報告している」と説明した。
赤城氏によると、経費は父親宅のほか水戸市内の自民党支部と同じ場所に置く事務所の2カ所分を合算しているという。内訳については「電話代や切手代、事務機器のリース料、人件費を積み上げた。家賃は含まれていないと思われる」とし、「架空のものや付け替えではない」「公表すべきものはきちっと公表している」と繰り返した。
後援会代表者の前茨城県議が「名前を使われていると知らなかった」などと述べたことについては「祖父の代から中心になって活動してくださっていて、代表になる了解も得ている。勘違いか誤解か分からないが、事務所にも何度もおいでいただいている」と話した。
また、東京都世田谷区の妻の実家に別の政治団体「徳政会」の事務所を置き、毎年100万円以上の経常経費を計上していることについては「親族や友人の寄付の受け皿として活動しており問題ない」と話した。【五味香織】



赤城農相:事務所費問題 会見の一問一答(MSN-Mainichi INTERACTIVE 2007年7月7日(土))

赤城農相が7日、記者会見で語った内容の要旨は次の通り。
−−(政治団体の)経費として支出が多すぎるのでは。
◆電話代とか切手代とか、いろいろと積み上げた結果。後援会活動をしっかりやっています。まさに活動の拠点で、象徴的な場所。
−−代表者が、自分が代表と知らなかったと話しているが。
◆代表になってもらう時に了解を得ているし、後援会活動の中心になってもらっている。
−−進退問題に発展しないか。
◆今の報告通りで、架空のものを付け替えたりとかはなく、間違いなくやっていると思います。どうしてああいう報道になるか分からない。
−−「徳政会」という政治団体を妻の実家に置いているが。
◆親族や友人からの寄付の受け皿として、活動の実態がある。
−−今後改めて説明する考えはあるか。
◆活動を実際してきているので、これからも後援会の主たる事務所で良いのかなと思っている。



赤城農相:事務所費問題 「選挙で集まる程度」と地元(MSN-Mainichi INTERACTIVE 2007年7月7日(土))

赤城徳彦後援会」の代表者になっている前茨城県議は7日、「(実家は)以前から選挙の時に支援者が集まる程度だった」と語った。
前県議は、祖父の故宗徳元農相の時代からの支援者だというが「当時から筑西市の家は事務所として使ったことがない」と証言する。さらに政治団体代表になっていることについて「名前が使われていることは一切知らず、代表になってほしいと頼まれたこともない。(赤城氏の)資金集めパーティーであいさつしたこともない。カネの話も知らない」と団体とのつながり自体を否定した。
一方、元秘書の男性は「父親の家では日常的な活動はしていない。選挙の時などには対応を話し合っている」と話している。【河部修志、小林昭雄】



赤城農相:事務所費問題で釈明 「架空計上ではない」(MSN-Mainichi INTERACTIVE 2007年7月8日(日))

赤城徳彦農相(衆院茨城1区)が関係する政治団体赤城徳彦後援会」が活動歴がないにもかかわらず多額の経常経費を計上していたとされる問題で、赤城農相は7日夕、農水省で記者会見し、「架空計上ではない」と説明した。これを受けて安倍晋三首相は同日、「農相はしっかり説明した」と擁護、野党からの農相辞任要求を「そういう問題ではない」と拒否した。ただ、野党は今後も農相の辞任を求めると同時に、首相の任命責任を追及する方針。久間章生前防衛相の辞任からわずか3日にして、参院選公示(12日)を直前にした安倍政権は新たに「政治とカネ」をめぐり不安要因を抱えこんだ。
安倍首相は7日、農相の事務所費問題が一部で報道されると、自民党中川秀直幹事長と電話で連絡を取り合い、農相の進退問題に発展させない方針を確認。栃木県内の遊説中、農相から電話で説明を受けた。同日夕、首相公邸前で記者団のインタビューに応じ、農相を擁護した。政治団体不正経理疑惑で辞任した佐田玄一郎前行革担当相との比較については「(佐田氏のケースとは)違う」と明言、強気の姿勢を崩さなかった。
ただ、与党内からは久間氏の辞任からまもない閣僚の不祥事に不満の声が相次いだ。公明党幹部は同日、毎日新聞の取材に「事実なら赤城氏も農相を辞めなければならない。与党として(農相を)守れるかどうか分からない」と強調した。
一方、野党は、農相が事務所費疑惑のさなかで5月28日に自殺した松岡利勝前農相の後任として就任したばかりである点を重視、首相の任命責任を突く形で攻勢を強めている。民主党小沢一郎代表は7日、名古屋市内で記者団に「松岡前農相が何も語らず自殺の道を選ばざるを得なかったが、後任の方も政治資金について全く説明ができない状況。これでは国民の皆さんの信頼を得ることはできない」と批判。同党の鳩山由紀夫幹事長は「自らの犯したことをしっかり反省するならば職を辞すべきだ」と農相辞任を要求。共産党市田忠義書記局長も「(辞任した)佐田氏と同じ問題。首相は罷免すべきだ」と述べた。【竹島一登、山田夢留】



赤城農相:事務所費問題 参院選前に安倍政権をまた直撃(MSN-Mainichi INTERACTIVE 2007年7月8日(日))

赤城徳彦農相が実家を政治団体の所在地として届け出て多額の経常経費を計上していたことが7日発覚し、「政治とカネ」の問題が安倍政権をまたも直撃した。同問題をめぐっては昨年末に佐田玄一郎行政改革担当相が辞任、5月末に松岡利勝前農相が自殺。赤城農相は松岡氏の後任に約1カ月前に就任したばかりで、与党内からも「安倍人事」の破綻(はたん)を批判する声が出ている。先に成立した改正政治資金規正法への「ザル法」批判も高まりそうで、政権は参院選公示を5日後に控え、さらなる痛手を負った。


◇与党から「人事破綻」批判も
「佐田、松岡、久間(章生前防衛相)、赤城と4連発。参院選に向け頑張っているのに、大暴風雨の中の底なし沼だ。政治とカネで命を絶った松岡氏の後任がこの姿ではどうしようもない」。自民党舛添要一参院政審会長は7日、毎日新聞の取材に怒りをぶちまけた。公明党高木陽介選対委員長は「もういいかげんにしてほしい」と不快感を隠さず、別の与党幹部は「えー、またかよ。駄目だこりゃ、次から次へと」と頭を抱えた。
年金記録漏れ問題で内閣支持率が急落する中、久間前防衛相が原爆関連発言で4日に辞任。わずか3日後に新たな火種を抱えたことに与党議員の怒りは収まらない。
農相は6月1日、自殺した松岡氏の後任に農水省OBという「即戦力」を買われて就任。塩崎恭久官房長官は当日の記者会見で「政治とカネは国民が注目しているので、そういう観点も考慮に入れながら当然、お願いしている」と語り、任命時に身辺を徹底チェックする「身体検査」は十分と胸を張っていた。
農相は7日の会見で実家の事務所には活動実態があったと釈明したが、農相の政治団体の代表者は事務所としての活動実態はなかったと証言。食い違いが生じており、不透明感はぬぐえない。公明党幹部は「年間900万円も活動実態が本当にあったのか。24時間電話をかけ続けたり、何万通もはがきを出さないと、あり得ない数字だ」と疑問を呈した。
だが首相官邸の危機感は、久間氏が原爆投下は「しょうがない」と発言した直後、同氏を擁護した時と同様に今回も乏しく、世論や与党との温度差は深刻だ。周辺によると首相は7日、栃木県内を遊説中に農相から秘書官を通じて電話を受け、「きちんと説明するように。その際の記者会見は途中で打ち切らないように」とだけ指示したという。首相周辺は「年間900万円の活動費なんて、事務員を2人も雇えば人件費だけでそれぐらいかかる」と乗り切りに自信を示す。
もっとも首相にとっては、農相を守るしか選択肢はないのが実情だ。更迭すれば、松岡氏の後任に同じ「政治とカネ」の問題を抱えた人物を起用した首相の任命責任がこれまで以上に厳しく問われるのは必至。一方、守るという今回の決断も、参院選を控え野党に格好の攻撃材料を与えるというジレンマがある。野党は一斉に罷免を要求しており、8日午前にテレビ各局で行われる首相(自民党総裁)と各党党首との討論番組でも徹底追及する構えだ。
首相は久間氏を叱責しながら辞任の必要はないと擁護し続け、最後には与党の圧力で同氏自身が辞任を決断した。また同じてつを踏む可能性もはらんでいる。【佐藤千矢子】


政治資金規正法、改正の効果なく
事務所費など経常経費の不透明な支出をめぐっては安倍政権発足以降、佐田氏や松岡氏の問題が相次いだことから、6月末、政治資金規正法が改正された。しかし、適用対象となるのは資金管理団体1団体だけで他の団体は対象外となり、「ザル法」ぶりが改めて浮き彫りとなっている。
佐田氏の政治団体佐田玄一郎政治研究会」は父親が社長だった建設会社の東京支店に事務所があり、90〜00年の11年間に事務所費や光熱水費など計7800万円の経費を支出したと報告。事務所に活動実態がないことが発覚した。松岡氏の場合は資金管理団体議員会館に事務所を置いていたが、05年は事務所費に3359万円、光熱水費に507万円を計上。光熱水費の不自然さを追及されて「ナントカ還元水が含まれる」と答弁していた。
こうした問題を受けて政治資金規正法が改正され、1政治家に1団体のみ認められている資金管理団体に限り、5万円以上の経常経費(人件費を除く)の支出について領収書の添付を義務づけた。しかし、後援会など資金管理団体以外の政治団体については、「事務処理が煩雑になる」(公明党幹部)との理由で適用外とされた。
例えば赤城農相の場合、関連4団体のうち、議員会館に事務所を置く資金管理団体「徳友会」は適用対象となるが、両親の自宅や妻の実家に事務所を置いた形にして不透明な経常経費を計上していた「赤城徳彦後援会」と「徳政会」、それに加えて「自民党茨城県第1選挙区支部」は対象外となる。また、5万円未満に細かく分ければ、経常経費だけでなく政治活動費についても領収書は必要ない。
衆院議員の元秘書は「系列の地方議員に配るカネなど、表に出したくない支出があり、領収書が要らない事務所費に付け替えることがある。『抜け道』は必要悪のようなものだ」と話す。【日下部聡】



赤城農相:事務所費問題 不透明な「四つの財布」(MSN-Mainichi INTERACTIVE 2007年7月7日(土))

関連する政治団体の事務所経費の不透明さが発覚した赤城徳彦農相。「徳友会」「徳政会」「赤城徳彦後援会」「自民党茨城県第一選挙区支部」の四つの政治団体があり財布を四つ持つ形だが、そのうち三つの団体で不自然な政治資金の支出が指摘された。赤城氏は7日、釈明会見をしたが疑問は払しょくされていない。


■900万円も必要か
茨城県の実家を事務所としている関連政治団体赤城徳彦後援会」は10年間に約9045万円に上る経常経費を計上していたことが発覚したが、平均すれば年間の支出額は約900万円となる。
会見で、「支出額が多すぎるのでは」と記者から指摘されると、赤城氏は「電話代とか切手代、事務機器のリース料とかいろいろなものを積み上げた」と説明した。
さらに「家賃なしで数百万円になるのか」と重ねて問われると、赤城氏は「活動が活発な年には事務通信関係にかなり費用がかかる。多いか少ないか分からない」と語るにとどまった。


■光熱水費の区別は
「後援会」は本人の実家。このため当然、両親が使う分とは区別が必要だ。この点について赤城氏は「後援会活動と生活は違うので、おのずと別物と思いますが……」歯切れが悪く、納得できる回答はなかった。


■活動実態はあるのか
「後援会」などの活動について、常駐のスタッフがいるのかも問題となった。この点では「今はいない。忙しい時にはアルバイトやスタッフに来てもらうことはある。両親がいるので、(用があれば)いろいろ連絡してもらっている」と強調。支持者らは「(実家は)事務所として使ったことがない」と証言。元秘書も「日常的な活動はしていない」といい、赤城氏の説明の苦しさを示す。


■代表者はだれ
赤城氏は「後援会」の代表者について会見で「先代から後援会活動の中核。代表就任にあたってもご了解いただいている」と説明した。しかし、当の代表者とされる男性は「代表を頼まれたことはない」と否定している。赤城氏は、この男性の証言について「何かの勘違いか誤解」と反論した。


◇「政治とカネ」の闇は深まるばかり
国会議員の「事務所費」を巡る疑惑が次々と明らかになる。安倍晋三首相は国会の会期を延長して政治資金規正法を改正したが、「ザル法」との指摘も強い。「政治とカネ」の闇は深まるばかりだ。
赤城農相はこの日午前中から地元の茨城県に戻り、支持者らと会った。事務所費などの不透明な支出を指摘する報道が相次いで、夕方になって農水省で緊急会見、釈明した。
これまで党首クラスを含めて、与野党を問わず、多くの国会議員たちが事務所費の実態を疑問視されてきた。
疑惑を報道などで指摘されると、多くの議員が「法律に従って処理している」などと正当性を主張してきた。しつこく追及されて、記者会見に応じたケースでも、詳細を積極的に明らかにすることはほとんどない。
「秘書が処理している」と秘書を盾にして追及をかわし続けることも多い。また、伊吹文明文部科学相小沢一郎民主党代表らは、政治資金規正法の問題点や解釈の不統一さを指摘している。



赤城農相:事務所費 首相は問題ないとの認識、野党反発(MSN-Mainichi INTERACTIVE 2007年7月7日(土))

赤城徳彦農相の事務所費問題について、安倍晋三首相は7日、「農相はしっかり説明した」と述べ、問題はないとの認識を示した。一方、野党各党は「自らの犯したことをしっかり反省するならば職を辞するべきだ」(鳩山由紀夫民主党幹事長)などと一斉に辞任を要求。野党側は、赤城農相が不明朗な事務所費問題を指摘された松岡利勝前農相の後任であることを重視し、首相の任命責任を厳しく追及する方針だ。
野党側が農相の辞任を求めていることに関し、首相は「そういう問題ではない」と拒否。政治団体不正経理疑惑で辞任した佐田玄一郎行政改革担当相との比較については「(佐田氏のケースとは)違う」と明言した。首相公邸前で記者団の質問に答えた。
ただ、与党内からは久間章生前防衛相が原爆投下に関する発言で4日引責辞任したのに続き、閣僚の新たな「政治とカネ」の問題について不満の声が相次いだ。公明党幹部は7日、毎日新聞の取材に「事実なら赤城氏も農相を辞めなければならない。与党として(農相を)守れるかどうか分からない」と強調した。
与党は、通常国会資金管理団体の5万円以上の経常経費(人件費を除く)に領収書添付を義務付ける改正政治資金規正法を成立させた直後だけに、再び同様の問題が起きれば「ザル法」との批判も強まりそうだ。現職閣僚の一人も「金額が大きすぎる。謝罪するしかない」と述べ、早期決着を求めた。
これに対し、民主党小沢一郎代表は7日、名古屋市内で記者団に「松岡前農相が何も語らず自殺の道を選ばざるを得なかったが、後任の方もこういう状況では国民の皆さんの信頼を得ることはできない」と批判。共産党市田忠義書記局長も記者団に「(辞任した)佐田氏と同じ問題。首相は罷免すべきだ」と強調した。【竹島一登、山田夢留】


◇赤城農相問題について、安倍首相が7日、記者団に語った内容の要旨は次の通り。
−−首相の認識は。
◆秘書を通じしっかり説明するよう指示した。赤城さんから詳しく説明されたと聞いている。
−−野党は農相の辞任を求めているが。
◆まあ、そういう問題じゃないでしょう。
−−問題はないと。
◆しっかりと説明されたと聞いている。
−−(事務所費問題で引責辞任した)佐田前行革担当相のケースとは違うか。
◆違いますね。
−−任命するにあたり、注意しなかったのか。
◆もちろんちゃんと見ていますよ。
−−危機管理として問題はなかったか。
◆3年間保存を義務づけられた分はしっかりと説明したとみている。