「やらせ」「動員」は世論操作・捏造、首相の責任は重大

タウンミーティング:最終報告提出 発言依頼115回(MSN-Mainichi INTERACTIVE 2006年12月13日(水))

政府主催のタウンミーティング(TM、全174回)の実態調査をしている内閣府の「タウンミーティング調査委員会」(委員長・林芳正副内閣相)は13日、最終報告書を公表した。質問内容を事前に示し発言を依頼する「やらせ質問」は教育改革や司法制度改革などを扱ったTMで計15回あり、やらせ質問を含めた発言の依頼は115回にのぼった。また、公募ではなく国が出席者に参加依頼したケースが71回と約4割に達し、謝礼金(5000円)が25回、65人に対し支払われていた。
塩崎恭久官房長官は同日の記者会見で「国民の期待を裏切った」と陳謝した。
(中略)
調査委は「政府の方針を浸透させるための『世論誘導』との疑念を払しょくできない」と指摘した。
(中略)
安倍首相は13日、衆院教育基本法特別委員会で「政治は結果責任で、(官房長官時代にに)所掌する私にも政治的に責任がある。私を含めて、けじめを付けていかなければならない」と述べ、自身も含めて処分を検討する考えを改めて強調。「(国民との)対話の場をゼロからスタートさせていきたい」と述べた。(後略)



発言の依頼は6割を超える。今回「やらせ」と特定した以外のものは、質問内容を事前に示す必要がなかっただけのことだろう。本質はまったく同じで、つまりは熱心に誘導を行っていたということだ。「公募ではなく国が出席者に参加依頼したケース」というのは一般市民を締め出して行われたということで、「やらせ」と組み合わさると、まったくの捏造ということになる。
「『世論誘導』との疑念を払しょくできない」状態で「国民の期待を裏切った」のであれば責任は重大だ。首相が官房長官に実施されたのだから、自身について減俸程度の処分でお茶を濁すだけでは国民の理解は得られない。「(国民との)対話の場をゼロからスタートさせていきたい」のであれば、まず信を問うところから始めたらどうだ。