「男女混合名簿導入促進」なぜ削除?

男女混合名簿巡り質問書 県の削除方針に反対の7団体(朝日新聞 2006年12月20日(水))

県の男女共同参画推進プラン見直しで、県が「学校現場での男女混合名簿の導入促進」を項目から削除する方針であることについて、反対する7団体が19日、知事あての公開質問書を提出した。
男女混合名簿は、男女を分けずに50音順で並べた名簿。市民団体「埼玉ベアテの会」、埼玉教職員組合の男女共生教育推進委員会などが連名で県男女共同参画課に提出した。埼玉ベアテの会は「男女別名薄は、男は先、女は後という価値観を子どもに押しつけ、必要のない状況でも性別を意識させる」と訴えた。
同課は、削除の根拠を「PTAや教員による05年度の男女平等教育推進委員会で『各学校の判断に任せるのがよい』という結論が出たため」と説明。質問書は「情報公開請求で入手した議事録にそのような記載はなかった」とし、十分な根拠を説明するよう求めている。
回答期限は26日で、同課は「遅くとも年内に回答したい」としている。



今まで推進プランの項目に入れて進めてきたものを、なぜわざわざ「削除」しなくてはならないのかよくわからない。「第21回(平成18年度第3回)埼玉県男女共同参画審議会の開催結果について」(埼玉県)に少しばかり議論がなされているが、県下の公立小中高校での導入率は75%で、残りの25%は「導入の必要なし」とPTAや地域、学校が判断したものだそうだ。なぜ「必要なし」なのか、その理由はわからない。極端に人数が少ない、とかいうことなのだろうか。
どうして「男女混合名簿の導入を促進する」という項目を盛り込むと決めたのか、そしてなぜそれを削除することにするのか、その点をはっきりするべきではないのか。いずれにもきちんとした論議がなされていないのであれば、立ち戻ってやり直す必要があるのではないか。
男女別名簿である限り、主に男子が先で女子が後(稀には女子が先で男子が後?)に記載されることになる。名簿が確認などのための便宜上のものであればどんな体裁でもかまわないかもしれないが、多くの場合、席順、班分け、質問などの指名などに使われているものと思う。男女別、50音順名簿がそうした使用に適切かどうか。
例えば便宜上の名簿は男女別、50音順だが、授業に使用する場合には独自に名簿を作成するとかそんな工夫があればいいのかもしれないが、そんな担保はされていないようだ。
埼玉県には男女別学の公立校があり、機会均等の面からも早期に是正が必要と思っているが、先日教育基本法が改訂されてしまったために共学化は後退してしまうかもしれない。これらと同じように、名簿の問題を含めた「男女共同参画」の取り組みがあらぬ姿に変貌してしまっては困る。