桝添氏に対する違和感

JA南彩と高山製粉のそば粉で二八

年金に関する数々の不祥事についての世論に半ば後押しされたカタチで厚労相になったはいいけれど、職員ら関係者の責任追及に関する実に品のない発言ばかりを繰り返している。当事者の告発は確かに大切なことではあるが、今までそれを放置していた責任を棚に上げてこき下ろす必要は全くない。
桝添氏は就任以来、まず自らの(つまり所属する政党であるとか後ろ盾であるところの政府であるとかの)責任については語らず、国民に向けての謝罪もしていない。そんな状態で勢いのいい暴言を吐き続けても、誰からも理解されないだろう。
毎日新聞の社説が的確に指摘している。


社説:年金着服 告発せずは「公」の責任逃れだ(毎日新聞 2007年10月7日(日))

(前略)
地方の「不服従」に対し、舛添要一厚生労働相は、自治体側が刑事告発しない場合には社保庁長官に告発させる考えを明らかにしている。やむをえない措置だ。公務員の犯罪行為は、行政の内部で処分して事足れりというものではないからだ。
(中略)
刑事訴訟法239条2項は「官吏又(また)は公吏は、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発をしなければならない」と規定する。厳密に言えば、告発を見送る市町はこの義務に違反しているとみるのが通説だ。
(中略)
消えた年金記録」の原因の一つに、職員の保険料着服が指摘されている。公務員の不正行為にはだれからも後ろ指をさされないようなけじめが欠かせない。それがゆるむと、国民の「公」への信頼はつなぎとめられない。
ただ、この問題の取り扱いをめぐって舛添厚労相が「市町村窓口は信用できない」と述べたり、首長の反乱に遭うと「小人(しょうじん)の戯(ざ)れ言」とか「バカ市長」などと挑発的発言を繰り返すのは明らかに行き過ぎだ。いやしくも首長は住民の選挙で選ばれている。国民受けだけを狙ったような品のない発言は自治体職員の士気も損なう。反省してほしい。



国民が望んでいるのは年金システムの適切な運用と将来の展望に関する不安解消だ。決して犯人捜しだけに終始することではない。桝添氏は「それは時間の掛かることだからもう少し待ってほしい」と言うけれども、展望も何も示せないのであれば、大臣でいる価値は全くない。「年金関連責任追及担当相」にでもなればよい。