金・室伏が不正発見!?アヌシュは一番早く尿を…(ZAKZAK - Yahoo!ニュース)

金・室伏が不正発見!?アヌシュは一番早く尿を…(ZAKZAK - Yahoo!ニュース)

IOCは、陸上男子ハンマー投げで優勝したアドリアンアヌシュハンガリー)をドーピング規定違反で失格とする裁定を下し、2位の室伏広治(29)を金メダルに繰り上げることを決めた。これでアテネで日本が獲得した金メダルは16個となり、過去最多だった64年東京五輪に並んだ。とんだ格好で金メダルを得た室伏に笑顔はなかったが、アヌシュの不正発覚のきっかけを作ったのは、国際人・室伏その人だった。
IOCの決定を受けて会見した室伏は、約30分の質疑応答の間、一度も笑みを見せなかった。
「表彰台で受け取りたかったというのが本音。まだメダルを手にしていなくて実感がない。急な展開で自分が混乱していることもあり、今のところはこういう表情です。実感がわいたら、表情も柔らかくなると思う」
そしていみじくも、こう話した。「ハンマー投げの選手がこのような形になったのは残念。アヌシュ選手がどうだったのかは分からない。(薬物使用の)うわさは流れていたが…」。
室伏は22日の競技で、わずか28センチ及ばず敗れたが、その直後からアヌシュの行動に疑問を持っていた。直後には陸上チームリーダーの沢木啓祐氏に「アヌシュには選手間で、前々から怪しいという情報がある。競技中にトイレに行ったのに、ドーピングでは誰よりも先に尿がでた」と訴え、これがJOCとしてIOCに再調査を求める要望書につながった。
日本陸連の桜井専務理事は「室伏君は言葉も達者だし、仲間同士でそういう話があったと聞いている。疑わしいところは、きちっとしてほしいという意志だった」と話し、JOCの竹田会長は「25日に申し入れたところ、26日にIOCのロゲ会長から感謝の言葉があった。27日に、ハンガリー側に2日内に再検査を要求することが決まった」と経緯を説明した。
室伏はかねて、「ドーピングがなくならないのは、それぞれの国の事情、立場があると思う。大切なのは、選手間で友好を深めること。競技のときは戦いだが、いい雰囲気が自然と沸くような、そんな雰囲気を作りだしたい」と話してきた。
世界中を転戦するサーキットの中で、そんな室伏を中心に選手間の友好の輪が広がった。室伏が言葉に堪能なことも手伝った。そうしてできたネットワークには、さまざまな情報が入ってきた。もちろんドーピングの情報もその1つだ。
父親でコーチの重信氏が長年ハンマー投げ一筋で歩むなかで培ったアンテナも役立った。一足先に帰国した重信氏は「不正を犯した者にメダルを受ける資格はない」とはっきり口にしていた。
アヌシュが金メダルを失ったのは、IOCが求めた再検査に正当な理由なく応じなかったため。だが、IOCはさらに、大会中のアヌシュの検査で陰性となった2つの尿検体を分析し、それぞれ別の人物のものであったことを公表した。これでアヌシュの尿検体すり替えが明らかになった。
室伏は「本当の真実の中で試合が行われることがどれだけ大事かと感じた」として、表彰台で受け取った銀メダルの裏にあったギリシャの古代詩人ピンダロスの詩の翻訳を直筆で書き写し、報道陣に配った。
「真実の母オリンピアよ あなたの子供達が 競技で勝利を勝ち得た時 永遠の栄誉(黄金)をあたえよ それを証明できるのは 真実の母オリンピア
真実は「オリンピアが知っている」と、そういいたかったのだろう。
ところで、アヌシュに渡された金メダルは本当に返ってくるのか。IOCは「速やかに返還するように」と要求しているが、五輪のドーピングの歴史で、いったん授与された金メダルが返ってきたことはないという。室伏には、新たに作られた金メダルが渡される。

アヌシュをさらに追及へ 五輪永久失格の可能性も(共同通信 - gooニュース)

アテネ五輪陸上男子ハンマー投げで金メダルをはく奪されたアドリアンアヌシュハンガリー)に対し、国際オリンピック委員会(IOC)がさらに重度のドーピング(薬物使用)違反を追及する構えであることが、29日分かった。
アヌシュの失格は、IOCが求めた27日の再検査を同選手が正当な理由がなく拒否したため。しかし調査の過程で同選手が、陰性だった2度の検査で別人の尿検体を提出していたことが判明した。IOCは、検体の不正工作が証明されれば、アヌシュを五輪から永久追放にする可能性もあるという。
またアヌシュに尿検体を提供した人物を捜し、組織的ドーピングの疑いも追及するとした。