頭痛:子どもに我慢させるのは禁物(MSN-Mainichi INTERACTIVE)

頭痛:子どもに我慢させるのは禁物(MSN-Mainichi INTERACTIVE)

子どもの頭痛患者が増えている。診断がつきにくいため医師に「怠け病だ」などと言われ、うつ状態になる子もいる。専門医は「まず受け止めてあげること。我慢させるのは禁物」と助言する。
栃木県小山市の中学2年生、Mさん(13)は3年前から頭痛に悩んでいる。頭の右側がズキンズキンと痛み、立っていられないほど。学校の部活動を休まなければならないのがつらいという。
汐留シティセンターセントラルクリニック(東京都港区)には、多い日は20組の親子が訪れる。担当する清水俊彦・東京女子医大講師(頭痛外来)は「頭痛外来を置く病院が増え、子どもの受診も増えたようだ」と話す。
子どもの片頭痛の特徴は、痛む時間が数時間と短いこと。血管の拡張と関係するため、運動会の翌日などストレスから解放されたときが多く、脳波などの異常は少ないという。ただ、診断は難しい。原因は頭痛にあるのだが、めまいや嘔吐(おうと)を訴える例がかなりある。片頭痛からうつ状態になる子どもは小学生に多く、いじめや周囲の無理解も引き金という。喜多村脳神経クリニック(東京都新宿区)の喜多村一幸院長は「片頭痛心身症的な頭痛が重なっている」とみる。
親はどうすればよいのだろうか。筑波学園病院の藤田光江小児科診療部長は「まず、『痛いんだよね』と受け止め安心させて。我慢させるのは禁物」と話す。
治療は服薬が中心で、比較的効き目の穏やかなイブプロフェンアセトアミノフェンという鎮痛薬が処方される。藤田さんは「疲れや寝不足は片頭痛にも影響する」と早寝早起きなど生活面での配慮も強調する。
注意したいのは、症状が似た別の病気で脳腫瘍(しゅよう)など治療を急ぐ場合もあること。家族に片頭痛の人がいなかったり、けいれんが見られるときは神経内科や頭痛外来を受診した方がよい。