泳法違反疑惑だって?

北島に泳法違反騒ぎ?米国代表騒ぐ(nikkansports.com ATHENS2004)

競泳男子100メートル平泳ぎで15日、金メダルを獲得した北島康介(21=東京SC)に「泳法違反騒ぎ」が持ち上がった。
平泳ぎでは、バタフライのようなドルフィンキックが禁じられているが、北島がスタートして飛び込んだ直後に1回打ったというもの。米国の男子背泳ぎ代表のピアソルが騒ぎ立てた。
しかし、ハンセンのリース・コーチは「違反はないし、抗議もない」と否定。ハンセンも「チームメートのことを考えてやってくれたのだろう」と取り合わなかった。国際水連関係者や審判の間でも話題にも上らなかった。

米国が"難クセ" 北島はズルしてる(スポニチOSAKA アテネ五輪

◆ ハンセンのチームメートが泳法違反と指摘 ◆
競泳で世界最強の米国が前代未聞の行動に出た。平泳ぎ百メートル覇者・北島の泳法違反を指摘したのだ。
”事件”は百メートルの表彰式後のインタビュールームで起こった。2位に敗れたハンセンのチームメートで男子二百メートル背泳ぎ世界記録保持者のアーロン・ピアソルが「北島はターンの後にドルフィンキックをしている」と泳法違反の疑いを指摘した事実が発覚。会見では、米国人記者から「ドルフィンキックをしているのか」と北島に質問が飛んだ。事実なら失格となってしまうが、もちろん、北島は「故意にやっているつもりはない」と完全否定。北島の後半の強さをやっかんでの”難くせ”だったが、早くも二百メートルへ向けて心理戦が始まった証拠だった。
ただ、会見に同席した銀メダルのハンセンは「違反?いや、僕が速く泳げばいいことだから」とあくまで無関心を装った。百メートルについては「僕が飛び込んだ時には、キタジマがぴゅっと先に行ってしまった」とユニークな表現で解説。結果は2位に終わり23歳の誕生日を金メダルで飾ることはできなかったが、二百メートルでのリベンジへ向けて気合を入れ直していた。

「北島は泳法違反」と米国選手がクレーム(asahi.com

競泳の男子平泳ぎ100メートルで金メダルを獲得した北島に対し、米国選手が「泳法違反でメダルをかすめとった」と非難を浴びせている。複数の米国メディアが伝えた。
批判の口火を切ったのは、背泳ぎ100メートルで優勝したピアソル。同僚のハンセンを0秒17差でかわした北島がスタート直後の水中で、両足をそろえて上下に動かすドルフィンキックを不正に使い、少なくとも0秒2を稼いだとして「本人は自分のしたことがわかっている。これはいかさまだ」と怒り、レース翌日も「発言は取り下げない。何らかの処置がとられるべきだ」と話しているという。
ルールでは、スタートで飛び込んでから、水面に浮上するまでに「1かき、1けり」が認められており、その1けりは後方外側にけり出す平泳ぎのキックしか使えない。北島は「1けり」をする前に水中でバランスをとるための動作が疑われたようだが、米メディアは選手発言の「水中でドルフィンキックを使った」という部分だけをクローズアップ。「審判は水中の映像を見ることができない」(AP)と疑惑を深める形でも紹介している。
米国のヒステリックな反応は、世界記録を塗り替えたばかりの英雄の敗北を受け入れがたい心情から出たものだろうが、ハンセン本人は「敗北の責任は自分にある」と話しているという。この潔さが米国メディアには受けが良く、日本の英雄である北島が、米国ではますます悪役となっている。

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北島に泳法違反の指摘があることについて、日本水泳連盟の河合正治・競泳委員は「問題はない」との立場だ。スタートやターン後、腕を思い切りかくと、水中には体を支えるものがないため、どうしても腰と足が上下する。
河合委員は北島が中学時代から水中ビデオでその泳ぎを分析している。「世界のトップクラスの選手と比べて北島は手のかきが強い。だから余計にそう見えるだけ」という。
ミュンヘン五輪100メートル平泳ぎ金メダルの田口信教・鹿屋体大教授は、メキシコ五輪ではその独特のキックが泳法違反で失格となった。「自分たちが強いと思っているから、疑惑の目をむけるのだろう」と経験も交えて話す。
「北島選手が本物になったということ。出るくいは打たれるものだから」。騒ぎに惑わされず、競技に集中して欲しいと願っている。

アテネ五輪】競泳 「北島の泳法は規定違反」米の第一人者(Sankei Web)

あまりの強さに思わず発言?
競泳男子百メートル平泳ぎで北島康介日体大)が獲得した金メダルについて、米国の男子背泳ぎの第一人者、アーロン・ピアソル(米国)が15日、異議を唱えた。ターン直後の泳法が規定に違反しているというもの。しかし、訴えは北島に敗れたブレンダン・ハンセン(米国)に向けられた“援護射撃”とみられている。
会見場が異様な雰囲気に包まれた。発端は、米国人記者がハンセンに向けて発した質問だった。
「キタジマがターンの際、不正なドルフィンキックを使っていると、ピアソルが言っている」
平泳ぎでは1かき1キックが原則とされ、ターン後、浮上する際に微妙に足が下がるのは許容範囲。北島は「故意にはしていない」と否定。平井伯昌コーチは「むしろ外国人選手の方がスタート、ターンでそう(ドルフィンキックを使っているの)ではないか」と不快感をあらわにした。
ハンセン自身は「僕を守るために、カッとして口にしたのだろう」とチームメートをかばった。米国チームが正式に異議申し立てをする予定はない。「ノー・ホイッスル、ノー・ファウル(審判の笛が吹かれなければ、反則ではない)。だれもキタジマの金メダルにケチをつけることはできない」と米国のエディ・リース・ヘッドコーチ。
日本選手が台頭すると、ルール改正などで押さえつけるのが欧米の常套(じょうとう)手段。ピアソルの“乱心”は、北島の強さを脅威に感じている証拠といえそうだ。